交通事故の慰謝料はどう決まる?全治2週間を例に慰謝料の仕組みを解説!

交通事故でケガをすると、加害者に慰謝料の請求ができることがあります。慰謝料は物損事故は対象になりませんが、人身事故であればケガの程度が軽くても認められる可能性が高いです。ここでは、全治2週間と診断されたケースを例に、交通事故の慰謝料の仕組みについて説明していきます。

慰謝料を計算するときの基準なども簡単に紹介しましょう。

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人身事故で発生するのが入通院慰謝料と後遺障害慰謝料

人身事故の際に発生する慰謝料は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料にわかれます。入通院慰謝料は、事故に遭った被害者の精神的な苦痛を補償するために支払われるお金です。このような慰謝料は、ケガの治療費とは別に支払われます。

後遺障害慰謝料は、事故のケガが原因で身体に何らかの障害が残ったときに請求ができます。入通院慰謝料と後遺障害慰謝料は、金額を算定するときの基準や発生する時期が異なるため、金額を計算するときには少し注意をしましょう。

入通院慰謝料は、全治2週間のむち打ち症と診断された場合でも請求が可能です。医療機関で治療を受けた経緯があれば、基本的に入通院慰謝料の対象になってきます。後遺障害慰謝料は、後遺障害が発生した場合が対象です。

入通院慰謝料と違って、後遺障害慰謝料は対象になる人が限られてきます。

入通院慰謝料は治療に要した日数で金額が決まる

入通院慰謝料は、病院に通院した日数や治療の日数によって決まってきます。この慰謝料の場合、治療の期間が長引くほど金額が増えるのが一般的です。例えば、全治2週間のケガをしたときには、1日当たりの金額に14をかけて2週間分の慰謝料の金額を算出します。

軽傷の場合、ケガの状態が客観的に確認できるとできないときとで、少し金額が変わります。

むち打ち症による頭痛や吐き気などは、レントゲン検査でも確認できないことがありますよね。本人の感覚でしか証明できない症状は、診察をした医師でも確認するのが難しいです。このような症状のみのときは、入通院慰謝料の金額がやや少なくなるのが一般的です。

手術や外科的な処置を受ける必要があった場合は、客観的にケガをしていることがすぐにわかります。このようなケースでは、慰謝料の金額もいくぶん高くなることが多いです。

後遺障害慰謝料は等級が金額の判断基準になる

後遺障害慰謝料は、等級と呼ばれる所定の分類によって金額が決まる仕組みになっています。交通事故の後遺障害には1級から14級までの等級があり、該当する人の症状がそれぞれ定められています。この等級の分類では、1級がもっとも症状が重く、番号が大きくなるごとに症状が軽くなる仕組みです。

14級は、1番症状が軽い人が該当します。ちなみに、全治2週間の軽いむち打ち症はこの14級に分類されるケースが多いです。後遺障害慰謝料の場合、その人の労働能力に事故がどのくらい影響を与えたかを等級を分類するときの一つの判断基準にしています。

1級や2級、3級などの上位の級では100%の割合で労働能力が失われたとみなされることから、慰謝料の金額もかなりの高額になるケースがあります。14級の場合、労働能力の損失として認められる割合はわずか5%です。

事故の後も労働能力の大部分は失われていないと判断されるため、慰謝料は少なめです。

後遺障害慰謝料が発生するタイミング

後遺障害慰謝料が発生するのは、医師から症状固定の診断を受けたときです。症状固定は、症状が固定化しており、治療を続けても現状よりよくなる可能性がない状態です。このような状態だと医師が判断したときは、症状固定の診断が下されます。

症状が固定すると、以後は入通院慰謝料をもらうことができません。ただ、残った症状が後遺障害であると認められれば、あらたに後遺障害慰謝料が受け取れます。慰謝料を請求するときは、医師から後遺障害診断書を発行してもらう必要があります。

慰謝料の請求方法には、加害者側の保険会社に請求をおこなう加害者請求と、被害者が自分で請求手続きをする被害者請求の2つがあります。加害者請求は加害者側との示談がまとまった後でないとお金が受け取れませんが、被害者請求は示談交渉をする前でも保険金を支払ってもらえます。

ちなみに、被害者請求を選んだ場合は基本的に自分で請求手続きをおこないます。

慰謝料の金額はどの基準で計算するかで変わってくる

入通院慰謝料、後遺障害慰謝料は、いずれも採用する基準で金額が変わります。これらの慰謝料には、自賠責基準と任意保険基準、弁護士基準の3つの基準があります。どの基準で計算するかで金額が変わることは、慰謝料を請求する前に知っておいたほうがよいかもしれませんね。

保険会社が金額を算出する場合は、自賠責基準や任意保険基準で計算をおこなうのが一般的です。1番金額が高い弁護士基準で慰謝料を受け取りたいときは、弁護士を通じて請求手続きをするのが妥当な方法になるでしょう。

全治2週間のケガの場合、任意保険基準で計算した慰謝料は6万円前後です。弁護士基準で計算すると、この場合の慰謝料は9万円から13万円前後まで上がります。後遺障害慰謝料の場合も、同様に弁護士基準がもっとも金額が高いです。

例えば、14級の後遺障害慰謝料は、自賠責基準と任意保険基準で計算すると30万円から40万円ほどです。弁護士基準では110万円前後が14級の慰謝料の相場であるため、保険会社の基準で計算したときよりも大幅に金額がアップします。

警察に提出する診断書と治療期間が違っても問題はない

人身事故に遭うと、警察に医師の診断書を提出する必要がでてきます。このような診断書に「全治2週間」と書かれている場合、いろいろな疑問が湧いてくるかもしれませんね。「2週間で支払いが打ち切られてしまうかも」と心配になる人もいるでしょう。

ただ、こういった警察に提出する診断書は、保険会社に出す書類とはまったく別物です。保険会社では自社に提出された書類で治療期間をチェックするため、警察用の診断書にどのような内容が書かれていても、保険金の支払いに影響する可能性は低いです。

実際、事故の直後に「全治2週間」と医師から診断された人でも、予想以上に回復に時間がかかったり、後から別な症状が現れたりするケースも少なくありません。交通事故の影響は少し時間がたってからでてくる場合もあるため、当初の見込みが外れることはよくあります。

慰謝料を請求するときには、事故直後の状態よりも以後の身体の状態のほうに注目するのが基本です。症状の変化を記録に残すためにも、事故の後は定期的に病院で診察を受けましょう。通院回数が少ないと、支払いの打ち切りが早まることもあります。